「これまでタイ語の通訳選びに失敗した経験はありませんか?」
私自身、通訳をする側として25年以上の経験がありますが、通訳を採用する側の立場で考えることも多々あります。
なぜなら、通訳を採用するコストは決して安くはありませんし、採用する側には支払っただけの成果を得てもらいたいと思うからです。ただ、残念なことに、通訳選びの段階から失敗されている方が数多くいらっしゃるのが現状です。
長年タイで通訳をしている中で断言できるのが、通訳の良し悪しであなたのビジネスの成功率、あなたの願い事が叶う確率が変わってくるということです。それだけ通訳の役割は大きく、良い通訳に巡り合えるかが大事になってきます。
ここでは、私の実際の経験を元に「失敗しない通訳の選び方」のポイントについて率直にお伝えしていきたいと思います。是非、この記事で通訳の重要性を理解し、失敗しない通訳選びの参考にして頂ければ幸いです。
タイ語の通訳だけでなく、どの言語の通訳についても共通する内容になっています。
通訳選びで悩んだことはありませんか?
突然ですが、皆さんが通訳を選ぶとき、どのような基準で選びますか?
仮に明日大事なタイの会社さんとの商談があるとしたら、どんな通訳さんに来てもらいたいでしょうか。こんな風に悩まれたご経験はありませんか。
- 何を基準に選んだらいいの?
- 安い通訳の方がいいよね?
- 日本人とタイ人の通訳どっちを選ぶべき?
- 求める通訳のレベルは?
- そもそも通訳料高いよね。自動翻訳でもいいんじゃないの?
- 逐次通訳? 同時通訳? ウィスパー?
- どこで通訳を探したらいいの?
通訳選びには色々なことを考えなければいけません、、
でも、そもそも通訳って本当に大事なの?
⇒ ムチャクチャ大事です!
なぜなら、あなたのビジネスや会話の成功率を左右するからです。
それでは、良い通訳を選ぶとどんなメリットがあるのかを次の章でお伝えしますね。
良い通訳を採用することで得られるメリット
良い通訳を選ぶと、こんなメリットが得られます!
- 言いたいことが伝わるから、会話がスムーズに進む。
- 質問をした時に、相手から聞きたい答えが返ってくる。
- 会話がスムーズだから、無駄な通訳料(時間)がかからない。
- 通訳者自身に自信があるから、商談や取引きが上手くいく。
- 業務知識があるから、飲み込みが早く、言いたいことが伝わる。
- 人間性がいいから、パートナーとして長くお付き合いできる。
- 言葉以外の面でも色々と相談できる。
通訳は長くお付き合いするビジネスパートナーなのです!
通訳の仕事とは?
それでは、いったい通訳ってどんな仕事をする人たちなのでしょうか?
ある国の言語を他の外国語に変換するだけのお仕事だよね?
いえ、そんなことは当たり前です。
通訳の大事な役割とは、
「会話の目的を成就させること」にあるのです!
でも、私のところにこんな相談がよく来ます。
「通訳を採用したんだけど、質問に対して違う答えが返ってくるんだよね、、、
本当にちゃんと通訳してんのかな?」
通訳選びを間違えると、相手との会話が嚙み合わなくなります。
では、何を基準に通訳を選んだらよいのでしょうか?
通訳に必要な5つの資質
失敗しない通訳選びをするには
「通訳に必要な資質」
をまず理解することが重要になります!
「通訳に必要な資質」は下記の5つになります。


言葉が出来るからいい通訳というわけではないのです。
それでは、一つ一つ解説していきますね。
①語学力
当たり前ですが、通訳は言葉を扱う仕事ですから、高いレベルの外国語能力が必要になります。
そもそも、語学力が無ければ通訳の仕事は務まらないですし、お話にもなりません。基本的には、通訳には次の4つの総合的な語学能力が必要になります。
- 語彙力
- 聴解力
- 読解力
- 会話力
語学は何より基本が大事。学歴が大事とは言いませんが、やはり基礎からしっかりした学習機関で学んだ人の方が信頼できます。なぜなら、語学の習得にはかなりの時間が必要で、なかなか自己流だけでは壁にぶつかるからです。
言うまでもありませんが、「語学力」が良い通訳であるための第一条件となります。
②業務知識
外国語が上手だからといって、良い通訳であるとは限りません。
なぜなら、通訳をする分野は多岐に渡り、業務の内容が理解できないと上手に通訳ができないからです。決して各業務のことを深く知る必要はありません。しかし、業務の内容を理解するためには、社会人として仕事をした経験が絶対的に必要となります。
例えばですが、実際に私が経験した通訳や翻訳の分野は次のようなものがあります。
【例】生産、会計、総務人事、購買、技術、IT、環境、安全、医療、法律、観光など
通訳が関わらなければならない分野は、無限にあります。
通訳をする時は単に言葉を理解するだけでなく、内容を飲み込んでから通訳をします。内容を理解できなければ、途中で何を話しているかが分からなくなるからです。
通訳の仕事は、自分で通訳する分野を選べないのが大変な仕事。自国語でも知らない言葉がたくさん出てくるお仕事です(汗)。その状況下で正しく通訳をするには、絶対的に業務経験と業務知識が必要になるのです。
③経験(場数)
通訳は、時には大勢の前で緊張しながら通訳をしなければなりません。
通訳をする場面は、社長や経営者の方々の通訳も多いです。語学力も必要ですが、どんなにたくさんの人の前でも、どんなにお偉いさんであっても、自信をもって通訳できるようにならなければなりません。特に商談などでは、通訳がオドオドしていては大事な商談も成立しないですよね。
通訳をする場面は、会議、工場の現場、監査、イベント、商談、裁判所、病院、観光など、本当に様々です。各場面で臆せず通訳ができるかどうかは、いかに場慣れしているかで決まります。
私自身も、以前は800人の従業員の前で社長の通訳をしていた時には、マイクを持った手を震わせながら通訳をしていました。今では緊張はほとんどしなくなりましたが。笑
場数をたくさん踏んでいる通訳は、過去に苦労した分だけ強いのです。
④読み書き能力
たいていの人は、「通訳は話す仕事だから読み書きは関係ないよね」と思いがちかと思います。
でも、そうではないのです。「外国語が話せるか、話せないか」は、「読み書きの能力があるかないか」が大きく関わっています。
外国語を習得するにあたって、文字は勉強したくない、話す練習だけしたいと言う人がよくいるのですが、そういう人は将来必ず壁にぶち当たります。語学の学習の基本は読み書きであり、読み書きができるから相手の言っていることが聞き取れるようになり、結果的に話せるようになるのです。
読み書きが弱い通訳は、通訳としても弱いと言わざるを得ません。実際の通訳の場面でも書類を読むこともありますし、事前の情報収集にも文字を読むことが必要です。何かを代筆してあげる場面もあるでしょう。
読み書きの能力がある人は、それだけ聞く力、話す力も強くなっていきます。
⑤人間性
大前提として、通訳は人と接する仕事だということです。
人と接する以上、通訳にとっても「人間性」はとても重要な資質になります。話す相手は通訳を介してこちら側の言うことを理解します。もちろん相手も人ですから、通訳がしっかりした人か、信頼できる人か、そういったところを感じ取り、観察します。
仮に相手の通訳がいい加減な人で、態度が悪く、ビジネスマナーもできていない人だったらどう感じるでしょうか? 印象がそれだけで悪くなりますよね。外国語が上手だから通訳が務まるわけではなく、人間性の部分もやはり大事になるのです。
ある知り合いの大企業の方がプーケットで日本人の通訳を採用したことがあるのですが、ヒッピーのような格好をしてきたそうです。笑
通訳においても、その場面に応じた格好、仕草、話し方、振舞い方が必要になります。また、挨拶をきちんとするとか、時間を守るとか、最低限のビジネスマナーを持ち合わせていることも重要な要素になります。
ここまで「通訳に必要な5つの資質」について説明してきましたが、如何だったでしょうか?
裏を返すと、これらが
「通訳を選ぶ際のポイント」
ということになります。
それでは、先程の「通訳に必要な5つの資質」と照らし合わせて、通訳の採用時に確認すべきこと、通訳の採用後に確認すべきことに分けてお伝えしますね!
通訳の採用時と採用後に確認すべきこと
それでは、まずは通訳を採用するときに、事前に確認してすべきことをお伝えします。
通訳の採用時に確認すべきこと
確認できる範囲でですが、通訳のこんなところを確認してみてください。
- どこでどのくらい外国語の基礎を学んでいたか?
- 検定試験に合格しているか?(あくまで参考程度にしかなりません)
- 過去の仕事の経歴は?
- 通訳だけでなく、実際の業務の経験はどのくらいあるか?
- 通訳としての経験(場数)はどのくらいあるか? どのような分野か?
- 翻訳の仕事の経験と実績は?
- 今回採用する案件に合う通訳かどうか? (語学レベル、年齢、性別、得意分野など)
- 人間性はどうか?
語学能力以外の部分もしっかりと確認することが大事になります。
それでは、次に通訳を採用した後に確認してすべきことをお伝えします。
通訳の採用後に確認すべきこと
次回も通訳を採用する予定がある場合は、下記のようなことを確認してみてください。
- こちらの質問に対し、相手から求める回答がきちんと返ってきていたか?
※ 大元の質問者、回答者の話し方に問題があることもあります。 - こちらが伝える業務の内容を通訳が理解できていたか?
- 分からないのに、分かったふりをして通訳していなかったか?
- 落ち着いて、自信を持って通訳していたか?
- 約束の時間を守っていたか?
- 通訳をすることに対して、事前に情報を聞くなどの準備をしていたか?
- 挨拶やビジネスマナーはきちんとできていたか?
- 服装は通訳する場面に適切な服装であったか?
- 疑問点がある場合、分からないことを質問していたか?
- 次のステップの確認など、最後まできちんと対応していたか?
通訳採用後、次回以降も同じ人を採用すべきかどうかの判断を行います。
日本人とタイ人の通訳どちらを選んだらいいの?
もう一つのポイントとして
日本人とタイ人の通訳どちらを選んだらいいの?
という疑問も出てきます。
基本的にはタイ人通訳の方が安いですが、それだけで判断するのは危険です。
ただ実際には、日本人の通訳がいいか? タイ人の通訳がいいか? 迷うところかと思います。
達成したい目的によって決める
まず、タイ人を採用する場合ですが、利点は日本語の話せるタイ人通訳の数がタイ語を話せる日本人通訳よりも圧倒的に多く、選択肢が多くなることでしょう。ただ、レベルが高い通訳であっても日本人の言いたい細かいニュアンスを理解するのは難しく、会話の中でどうしてもタイ人側(相手側)に偏りがちになってしまうケースが多いです。
一方、日本人を採用する場合、数が少ない分、レベルの高い通訳を探すのが難しくなります。しかし、話し手である日本人の言いたいニュアンスを正確に伝えたい場合には、同じ国籍の日本人通訳の方が適しています。安心感もあるでしょう。また、タイ人は日本好きな方が多いため、商談などでは通訳が日本人ということで有利に働くケースもあります。
一概には言えませんが、会話で達成したい目的や重要度によって決めるのがよいでしょう。その他、年齢や性別も重要な要素になります。例えば、通訳が若い人の場合、商談などでは舐められてしまう可能性も出てきます。
検定試験はあくまで目安
タイ人の通訳を採用する場合、国際交流基金が実施しているJLPTという日本語能力検定試験のレベルで判断するケースが多いです。
JLPTはN1~N5レベルまであり、 N1レベルが最上級です。タイにある日系企業は、N3以上で通訳を採用する場合が多いです。但し、N1だから通訳が務まるというわけではありません。N1はあくまで通過点であり、通訳にはそれ以上の能力が求められるということを頭に入れておく必要があります。「N1が日本語能力の最上位を意味する」ということではないということです。
一方、日本人にもタイ語検定の試験がありますが、こちらも参考程度に見るのがよいでしょう。そもそも語学の上級者は検定試験自体あまり重要視しておらず、実力や通訳の実績の方をより重要視しています。
タイ人、日本人ともに、検定試験の合否は参考程度に見るのがよいでしょう。
最後に
ここまで通訳の選び方のポイントについて述べてきましたが、如何でしたか。
通訳の仕事は「ただ単に右から左に外国語に変換して伝えるだけの仕事」だと私は考えていません。なぜなら、通訳は話し手と相手の間に入る、生身の人間に関わる仕事だからです。そこには、AIなどの機械翻訳とは異なり、声のトーンや大きさ、熱意が存在します。通訳者自身の理解度、自信、過去の経験なども滲み出てくるものなのです。
一方、通訳を採用する側にとっては、何かしらの目的があるから通訳を採用するわけです。その目的を理解し、そのために通訳ができる通訳者が、私は優秀な通訳だと考えています。採用者の「想いを実現させること」が、あくまでゴールなわけですから。
通訳の仕事はとても難しい仕事です。語学を長年かけて習得し、通訳として数多くの場数を踏むことも必要になります。ですから、採用する側の通訳選びもとても重要になるのです。この記事が少しでも、良きパートナーとなる通訳を採用するためのヒントとしてご活用頂ければ、大変嬉しく思います。
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